Climbing Mate Club

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Chronicle

鹿島槍ヶ岳ダイレクト尾根〜鎌尾根下降

アックスイメージ
メンバー 丸山、久住
日程 2000年5月19日
記録 丸山武志

ダイレクト尾根については、攀友147号(2号ダブっているが、1999年発行の本当の147号、2000年3月発行は148号となるはず)や岳人5月号に元CMC会員・前野一真氏が詳しく書いているので、いまさらと言う感がしますので、残雪が多いといわれている今年(2000年)の残雪状況だけ、筆者が同時期に鎌尾根を登った1996年と比較して簡単に報告しておきます。(鎌尾根:1996年5月20日丸山・甲斐・下條)

1. 大谷原(2:45)〜西俣出会い(3:30)

 西俣出会い下の堰堤あたりから残雪、よくしまっている。96年と同程度の残雪量。西俣出会いのデブリは96年より明らかに少ない。例年もっと丘のように 盛り上がっているが、今年は盛りあがりが低い。

2. 西俣(3:40)〜鎌尾根基部(4:45) 

 2日前の雨と当日の冷え(快晴・満月)で堅くしまって、久住氏のミニスキーが快適。北俣最初の堰堤は中央の雪ブロックが崩れて、左側からのぼる。次の堰堤も中央部分が露出。96年では最初の堰堤以外は雪の下だったはず(暗くてわからなかったのかもしれない)。鎌尾根取り付きあたりまで北俣からのデブリ。取り付き周辺は土が露出して、蕗の塔が咲いている。96年には青々と草がしげり、花が咲き出していた。ここから見上げるダイレクト尾根は急峻に見えるが、目印の三角形のハイ松が生えたピナクル状の第2岩峰(?)や逆Yの字の岩稜のとなりの登るべき雪のルンゼがはっきり確認できる。(図参照)

3. ルンゼ〜(7:00)第一岩峰〜第2岩峰〜(8:20)南峰頂上

 雪が固くしまっていてまったく問題なし。ノーロープ。第2岩峰の小ルンゼを登った後の草つきは、潅木が露出していて枝をつかまることができる。雪が安定していないときは、この前後が核心か?山頂付近はうっすらと新雪のなごり。中腹以下の雨が雪だったのだろう。しかし爺が岳の西面は岩が露出して黒々。縦走路もすべてみえる。剣・立山・槍・穂はかなり白い。

4. 山頂(8:45)〜鎌尾根〜(10:40)西俣出会い〜(12:00)大谷原

 主稜線の雪屁は大きいが格別という程でもない。鎌尾根のおりくちは、トレースがあって助かったが、ここも96年と同じくらいの張りだしで、苦もなく下りられた。今回は朝日が昇った後曇ってきたため、鎌尾根の雪も安定したまま。しかし狭いリッジを超えたあたりから、雪壁が切れてクレバス状に口を開くこと多々。96年より崩壊が早いように思える。結局中間ほどの地点から南側の布引沢に逃れて、あとはグリセード・ミニスキーとそれぞれのスタイルで西俣出会いまですべり下る。あとは蕗の塔とこごみのお土産採り。(00,5,25投稿)